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□ 労働相談  センターだより


第7号(2010.4.15) ※PDF版はこちら

過労自死(早坂)事案、逆転で労災認定に!

2001(平成13)年より大衡運送に勤務し、長距離トラックでの搬送業務に加えて、スーパーやコンビニの陳列棚などの設置・解体・撤去及び、建材や各種産業廃棄物等の運搬などで、長時間の過重労働を強いられ、うつ病を発症し2008(平成20)年9月に自らの命を絶った(当時41歳)早坂勇希さんの労災が認定されました。

昨年6月の小学校教員過労自死事案の公務災害認定以来、連続5件目の認定です。
詳細は〔いの健ニュース第27号〕参照
河北新報 記事全文です

第7回事例相談会の報告
4月12日に実施した事例検討会の報告です。
1~3月までの相談件数は計124件になっています。

相談事例/出向先の会社に採用してもらいたいが
37歳男性。U社からの出向でHビル管理会社に勤務して8年目。円満に仕事をしてきたが、出向が長期になっており、本社に戻されそうだ。
しかし、本社時代には他人の借金の連帯保証人になって給料を差し押さえられたり、アデランスを装着していることを理由に、からかわれたりいじめられたり、辛い思いが多かった。
今でも本社の忘年会や新年会、送別会などに参加すると「カツラ野郎!」などと言われいじめられる。
一時自殺も考えたほどの“ノイローゼ状態”になっている。
労働組合に相談しても相手にしてもらえない。
このまま出向先の会社に残ることはできないものか。

「いじめ・パワハラ・労災」の観点での助言も
「本社に相談できる人がいない」のであれば、出向先の上司に率直に相談したらどうか。
「いじめ・パワハラ」については、事実関係を明確にして労働局に相談すること。
という助言をしたのだがそれで良かったか、という問題提起に対して話し合った。
その結果、
相談者の話を良く聞き、的確な助言をしたと思うが、自殺を考えるほど深刻に悩んでいるとすれば、すでに抑うつ状態に陥っている可能性もある。
○ 心療内科や精神科に通院することを勧め、医師の診断を仰ぐこと。
○ もし「うつ病」と診断されれば、パワハラによる疾病として労災申請も可能になる。
○ 本人の一番の希望が出向先の社員になることにあるのだから、本社側と率直に話し合い、「出向先の社員として移籍する」ことが出来れば、特に労災申請をするまでもなく解決するのではないか。
○ 会社が全く応じない場合には、「それでは労災申請をします」と交渉条件に使えるが、あくまでも「うつ病」の診断が前提となるので、まず医師の診断を受けること、それから会社と話し合うこと、という順序で助言したらいいのではないか。
という方向で確認し合った。

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