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2009年6月28日 しんぶん赤旗 【記事全文】

小学校教師 過労自殺は公務災害 宮城 審査会裁定で認定確実に

 宮城県石巻市の小学校教師高野啓さん(当時38歳)が過労自殺し、遺族らが公務災害認定を求めている問題で27日、遺族らが仙台市内で記者会見し、地方公務員災害補償基金宮城県支部審査会が同県支部の公務外とした認定を破棄し、公務災害として認定される見通しとなったことを明らかにしました。
  高野啓さんの妻、由美さん(48)は、支えてくれた多くの人に感謝の気持ちでいっぱいだと話しながら、「子どもたちが、『長かったけれど、お母さんお疲れ様でした』と言ってくれたことで肩の荷が下りた」と語りました。
  元同僚や教職員組合でつくる「故高野啓先生の公務災害認定を実現する会」の楳林(うめばやし)由美子代表世話人は、「たいへんな状況に置かれている多くの先生たちへの大きな励ましになった。しかし、職場の状況が改善されたわけではなく、さらに運動を強めたい」と話しました。
  高野啓さんは、2000年4月に石巻市立貞山小学校に異動し、6年生の担任と同時に研究主任として「総合的な学習の時間」導入の職務を負わされ、連日深夜まで机に向かうようになり、心労で6月11日深夜、自宅で自殺しました。03年由美さんが公務災害認定を請求し、地方公務員災害補償基金県支部は08年4月、公務外と認定。同年6月に認定を不服として審査請求し、09年6月18日に審査会が公務外認定を破棄する裁決を下しました。

2009年6月28日 しんぶん赤旗

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