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【2009年度の経過報告】
相談活動について(2009年1月~2009年12月)
① 激増する相談件数、深刻さを増す相談内容
昨年までは、いの健担当者が対応した相談件数のみを年度別に報告していましたが、各団体(いの健センター、労働相談センター、県労連)の相談体制が一体化されてきたことや合同の事例検討会を始めたこともあり、今年からは全体の相談件数・内容について年ごとに集計したものを報告します。
下記の資料は「労働相談センター」としての集計だったために、07、08年はいの健独自の相談件数が含まれていません。
相談件数欄の( )内の数字がいの健の相談件数を含めた総数です。09年以後はいの健も含めた3団体全体の相談件数です。なお、今年(2010年)の分は3月末までのものです。
区分 | № | 2007年 | 2008年 | 2009年 | 2010年 | |
相談件数 | 1 | 新規相談件数 (いの健相談件数含む) |
181 (282) |
336 (480) |
553 | 124 |
2 | 継続相談件数 (いの健相談件数含む) |
13 (41) |
32 (74) |
100 | 36 | |
相談者 | 3 | 男性 | 92 | 174 | 324 | 55 |
4 | 女性 | 89 | 161 | 229 | 69 | |
5 | 不明 | 0 | 1 | 0 | 0 | |
小計 | 181 | 336 | 553 | 124 | ||
年代 | 6 | ~20代 | 50 | 34 | 61 | 10 |
7 | 30代 | 48 | 67 | 150 | 42 | |
8 | 40代 | 33 | 57 | 103 | 31 | |
9 | 50代 | 37 | 76 | 79 | 16 | |
10 | 60代~ | 9 | 13 | 29 | 5 | |
11 | 不明 | 4 | 89 | 131 | 20 | |
小計 | 181 | 336 | 553 | 124 | ||
雇用形態 | 12 | 正社員 | 95 | 180 | 278 | 69 |
13 | パート・契約・アルバイト | 54 | 74 | 109 | 23 | |
14 | 臨時・嘱託 | 14 | 8 | 27 | 7 | |
15 | 派遣・請負 | 10 | 29 | 54 | 12 | |
16 | その他 | 2 | 28 | 58 | 10 | |
17 | 不明 | 6 | 17 | 27 | 3 | |
小計 | 181 | 336 | 553 | 124 | ||
事業所規模 | 18 | ~30人 | 102 | 171 | 233 | 52 |
19 | 30~99人 | 31 | 35 | 83 | 19 | |
20 | 100~299人 | 15 | 20 | 31 | 14 | |
21 | 300~999人 | 3 | 9 | 13 | 5 | |
22 | 1000人以上 | 3 | 7 | 9 | 2 | |
23 | 不明 | 27 | 94 | 169 | 26 | |
小計 | 181 | 336 | 553 | 124 | ||
相談内容
|
24 | 解雇 | 30 | 86 | 135 | 27 |
25 | 退職の強要・勧奨 | 8 | 25 | 48 | 6 | |
26 | 賃金・残業等未払 | 51 | 60 | 121 | 25 | |
27 | 労働契約違反 | 7 | 10 | 24 | 9 | |
28 | 社会・雇用保険 | 4 | 5 | 22 | 5 | |
29 | 配転・出向・転籍 | 5 | 5 | 9 | 4 | |
30 | 労働条件切り下げ | 28 | 26 | 39 | 6 | |
31 | 労働時間・休暇 | 7 | 19 | 35 | 14 | |
32 | セクハラ・いじめ | 21 | 16 | 75 | 30 | |
33 | 倒産・工場移転 | 3 | 7 | 8 | 1 | |
34 | 労災・職業病 | 4 | 18 | 42 | 14 | |
35 | 組合結成・加入 | 2 | 0 | 3 | 1 | |
36 | その他 | 4 | 54 | 57 | 19 | |
37 | 不明 | 7 | 5 | 3 | 1 | |
小計 | 181 | 336 | 621 | 162 |
この3年間を比較すると、08年の秋頃から一気に相談件数が増えたのですが、派遣切りの横行で、30~40代の相談が激増したのが特徴です。
正規と非正規(その他を含む)に分けるとほぼ半々ですが、圧倒的に30人未満の小規模・零細企業で働いている方が多く、しわ寄せが最も弱いところに集中していることが分かります。
解雇・未払い問題が全体として増えていますが、いの健センターの相談ではパワハラ・いじめ・労災関係が年々増加しています。
解雇、長時間労働、パワハラなどにより、相談者の相当数が心の病を抱えていることは深刻な事態だと言わざるを得ません。
また、仕事中の事故にも関わらず「仕事を続けたかったら、休日に転んで怪我をしたことにしてほしい」などの悪質な労災隠しも後を絶たず、行政への指導の徹底を求めることが重要な課題になっています。
②過労死110番、労働相談何でも110番、アスベスト相談110番
「働く人の環境改善と健康をすすめる会」と共催で6月16日と11月21日の2回、過労死問題110番に取り組みました。
合わせて16件の相談が寄せられました。しかし、110番として十分に効果を上げているかどうか、マスコミでの取り上げ方を含め、事前の宣伝をより工夫する必要があると思います。
また、春闘共闘が主催する「労働相談・何でも110番」に参加しましたが、11月30日~12月1日では39件、3月2~3日には16件の相談が寄せられました。
派遣切りが強引に進められた1年まえに比べると110番での相談件数は減っているものの、解雇・長時間労働・未払い・パワハラなどの相談が日常化していることに深刻さが表れていると思います。
また、1月18~23日に「アスベスト問題相談週間」として110番を実施しました。
アスベスト問題対策センターや建交労とともに取り組み、錦町診療所に寄せられたものも含め計14件の相談がありました。
なお、相談週間の直前、1月12日にアスベスト患者家族の会の代表を務めていた上原長吉さん(建交労)が逝去されました。
この間のご奮闘に敬意を表するとともに、心からの哀悼の意を表するものです。
③ 事例検討会の実施と『センターだより』の発行、相談体制の強化
09年7月から3団体合同で「相談事例検討会」を開催していますが、相談員同士の経験交流を図り力量を高める上でも、また、深刻な相談事例を全体で共有しながら相談者が納得できる解決を図る上でも、極めて重要な取り組みになっています。
事例検討会で話し合った内容については《相談センターだより》としてメール配信をしています。
これまでに第7号まで発行していますが、ホームページにも掲載していますのでご参照いただければと思います。
さらに、2010年1月からは全労働出身の桑山任二さんがいの健センターの相談員として加わったことにより、相談体制も一段と強化されました。
また、労働相談センター相談員として、福保労の加藤書記長が加わり、基本的に相談員が毎日常駐できる体制になったことも大きな前進です。