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□ いの健ニュース


第32号(2010年9月21日発行) ※PDF版はこちら

すべての加盟団体から 第6回東北セミナーへの参加を!

9月16日に第3回実行委員会が開催されました。
当日参加されなかった団体もありますが、下記のようなタイムスケジュールや任務分担を確認しましたので、各組織で対応できるよう、是非お取り組みをお願い申し上げます。
1)セミナーの日程と運営について

   ※ 内容についてはPDF版をご覧ください。

2)参加者の組織状況  ○宮城県内/参加者100名以上、宿泊50名以上を目標に
・民医連と民医労は協力して30名の組織を目標に取り組んでいる。
・宮教組は15名が目標だが、宿泊希望が多くて財政的補助で頭を悩ませているほど。
・高教組は当日中央委員会だが、日帰り参加を含めて5名は参加できるようにしたい。
・宮城一般は当初10名の目標だったが、15名に目標を上げて取り組んでいる。
・建交労は5名目標に、現在2名は確定。
・仙台銀行労組は3名の目標で3名の参加が内定。
・宮商連は3名の参加に責任を持ちたい。
・ソニー労組は小さな組合だが1名は必ず参加する。
・県労連は事務局2名は参加するが、地方労連からも参加するよう取り組んでいる。
・福祉保育労は3名から5名を目標に取り組みたい。
・いの健事務局は3名の参加確定だが、ご遺族や相談者を含めて5~6人の参加を組織したい。

◎まだ参加が確定していない組織、未加盟組織からの積極的な取り組みを期待します。
 今月中に参加者名簿を事務局(県労連内)にお届け下さい。

3)分科会名&講師・助言者&要員配置計画
ⅰ)労働環境と労働安全衛生活動について(基礎講座/全国センター理事長)
ⅱ)労働実態と労働災害、公務災害認定闘争の重要性(弁護士)
ⅲ)メンタル不全を生まない職場作りと復帰支援活動の重要性(講演講師)
ⅳ)パワハラ・セクハラ問題にどう対応するか(弁護士)
ⅴ)働く女性の労働実態と健康問題(宮城厚生協会職場復帰支援室保健師)
ⅵ)自営業者、農民、女性の健康問題(埼玉センター副理事長)
ⅶ)アスベスト問題の現在と今後の課題(アスベスト対策センターから)

分科会担当要員(受付、司会、感想発表者) ※未確認の組織もあります。

 
講師・助言者
分科会担当者(司会、記録、報告)
第1分科会 福地 保馬氏 民医労、高教組、生協労組
第2分科会 杉山 茂雅氏 宮教組、民医労、いの健センター(桑山)
第3分科会 佐々木昭三氏 民医連、ソニー労組、仙台銀行
第4分科会 佐藤由紀子氏 県労連、(国公共闘)、郵産労
第5分科会 鈴木 悦代氏 宮教組、医労連、福保労
第6分科会 小滝 勝弥氏 宮城一般、宮商連、労働相談センター(相原)
第7分科会 広瀬、金田、鈴木の3氏 民医連、建交労、自交総連

 

記念講演   13:30~15:30
「心と体の健康を守るための働くルールの実現を求めて」
講師:佐々木昭三氏(全国センター理事、労働総研常任理事、東京社医研理事)

参加費・宿泊費
■ 宿泊者(参加費込み)  13,000円
■ 日帰り・参加費(2日間) 3,000円
    〃   (1日目のみ) 2,000円
    〃   (2日目のみ) 1,000円
■ 日帰りで交流会参加  +6,000円

●記念講演や各分科会も非常に充実した内容で、参加者の期待に十分応えられると確信しています。


学習/政策制度要求解説連載 (第4 回)
「第4 労働災害・公務災害の労災補償制度に関して」

労働者全体の1/3を占める非正規労働者、官製ワーキングプアなど、労働者の働き方は激変しています。
現行の労災補償制度は、民間労働者は厚生労働省、地方公務員は総務省、国家公務員は人事院が所管しており、補償内容もそれぞれ異なっています。公務員の場合同じ職場でも労働契約により対象となる制度が混在し複雑になっています。
同じ日本国内に働く労働者ならば等しい労災補償を受ける権利があります。すべての労働者の労災補償制度について給付水準、認定基準を下げることなく、もっとも高い水準で一本化することを求めていきます。

労災認定に当たる行政運営の改善を目指す

厚生労働省は昨年秋に「請求(申請)のできる保険給付等~全ての被災労働者・ご遺族が必要な保険給付等を確実に受けられるために~」と題したリーフレットを全国の労基署に配付して行政窓口での対応の改善を図りました。
労基署に相談に行った時に適用すべき労災補償が見逃された事例の反省に立ったものですが、労災認定に当たって改善すべき点はそれにとどまりません。
一番重要な点は業務上外判断の挙証責任が被災者・遺族に押し付けられているところです。特に過労死事案では職場の実態をしらない遺族が、労働実態を立証するには大変な労力を要します。
会社側が責任のないことを立証しない限り業務上とするなどの改善が必要です。
また、認定基準を判りやすいものとし公表する、主治医の診断の尊重、認定調査の状況や不足資料を知らせるなど、被災者を救済する立場に立った調査を求めていきます。
障がい者の業務上の判断はもちろんのこと、被災者の基礎疾病の存在などを配慮して、被災者を救済させることも大切です。過労死事件など業務上と確定するまでに時間がかかった事案については、被災時からの利息を支給すべきです。

適正な給付水準を実現しよう
生活できる、治療に専念できる水準に

業務上認定されても、会社や身分により補償される内容に大きな差があるのが実態です。
治療に専念できる、生活できる給付水準をめざして、抜本的な改善を求めていきます。
休業補償の給付水準を平均賃金の100%とすること、複数就業者の賃金合算、未払い賃金をも加味した給付基礎日額とすること、遺族給付については22歳までを対象とすること、労災就学援護費についても改善することなどが急務です。
遺族一時金についても、少なくとも自賠責保険を下回らない水準にすべきです。

地公災基金制度
被災者救済の立場で早く公正な運用を

地方公務員災害補償制度に対する要求項目に特に新しいものはなく、従来からの要求を整理しています。
要求項目は、認定審査の実施機関である地方公務員災害補償基金に対するもので、「遅く・悪い」と評される地公災基金制度を、被災者を救済するための第三者機関として機能させるために必要な改善要求項目です。
地公災基金制度の第1の問題点は、第三者機関としての公正性の問題です。
地公災基金の支部長は、県知事と政令市長です。
事務局は、県などの総務課職員が担当し多くは兼務で請求事案の審査を行っています。
問題は、支部長をはじめとする地公災基金職員に被災者救済実務に従事しているという認識が薄く、多くの問題の発生源となっています。
第2に、迅速性の問題です。
認定請求用紙を所属長に求めるところから、時間がかかる仕組みになっています。
特に過労死や過労自死など疲労性疾病は、所属長や任命権者の労務管理や健康管理を問うことになるため、所属長・任命権者を経由して請求することを義務づけていることは、被害者が加害者に理解を求めて認定請求を行うことになり、問題発生の原因となっています。
直接基金支部に提出することのできるように改善を求めています。
受理した後の審査でも書類審査の原則による膨大な書類の作成や現場検証を行わない姿勢、被災者からの聞き取りを行わない仕組み、担当者の専門性などが関連して審査が遅れます。
特に疲労性疾病での大きな問題点は、本部協議や補償課長照会の義務づけです。
ここで実質的な再審査が行われるため更に決定が遅れることになります。
中央への一段階化に反対する審査請求制度の改悪を阻止しよう衆議院解散により廃案となったものの、厚生労働省、総務省は労災・公務災害の審査請求制度を従来の二段階から中央への一段階化する法案を昨年の通常国会に上程しました。
行政不服審査法の改正案に沿ったものですが、全国センターとしては「被災者救済が狭まる」として反対の取り組みを展開しています。
当面、国会への上程はしないとのことですが、引き続き、一段階化に反対し、被災者救済につながる審査請求制度を目指していきます。

(全国センター理事中林正憲廣田政司)

2010年労働安全衛生中央学校に参加して

みやぎ保健企画分会 日下晋

2009年10月に安全衛生委員会がつばさ薬局に初めて設置されました。これまで安全衛生委員会は定期的に行われています。しかし、安全衛生委員会とは何をするところなのか、労働組合として安全衛生委員会に参加する意義はどこにあるのかなど、役割と立ち位置についてこれまで具体的にイメージすることができませんでした。今回、労働安全衛生中央学校にて、安全衛生委員会のあり方を整理することができたらと考え参加しました。
2日間で6つの講義(シンポジウム含む)を受講しました。講義は、近年の労働条件悪化が生活習慣病を増加させていること、過労死・過労自殺の増加と背景、労働時間の2極分化(長時間と短時間)と高齢者の労働時間増加などについての全般的な講義から、身体的な負担はもちろんのこと、睡眠不足、ストレスも大きな要因となる職業性腰痛・頚肩腕障害についての講義まで幅広い内容の講義が続きました。
その中でも、現役労基署監督官の講義は、安全衛生法の見方、安全衛生委員会の必要性と役割を分かりやすく示してくれただけでなく、労組が安全衛生委員会に関わり、現場の意見を伝える大切さについて理解することができた貴重な講義でした。職場巡視が、現場で働く人との対話と違う人の目線で職場を見る、健全職場をつくるためにも必要な取り組みであり、安全衛生委員会にとってとても重要な役割であることも分かりました。罰則付きの法律である安全衛生法が事業主責任を明記していることは、安全衛生委員会が果たさなければならない、危険防止、健康障害防止対策がとても重要な役割だということも気付かされた講義でした。
もうーつ印象に残る講義は、精神疾患、休職、職場復帰を実際に経験した産業カウンセラーの講義でした。メンタルヘルスとは何か、うつ病とはどういう病気なのかについての詳細な説明があり、職場復帰がとても難しい課題だということを知りました。講義では、メンタルヘルス指針作成と復職プログラム作成の重要性が重点的に取り上げられ、職員の心と体の健康を守るため、安全衛生委員会主導での実現に向けて積極的に取り組むべき課題だと率直に感じました。実体験に基づく講義内容は、職場のメンタルヘルスを防ぎたい、職場に理解があり、計画的な職場復帰を実現させたいという産業カウンセラーの思いがこちらにまで伝わってくる迫力ある講義でした。元気に入社した人が、元気に定年退職をしていける職場、メンタル不全者を出さない職場を目指し、安全衛生委員会が取り組まなければならないことは多種多様にあると考えさせられました。
安全衛生委員会はどんなところなのか。数々の講義を通じて私が感じたことは、“楽しい職場にするための”委員会だということです。そのためには、職場の安全確保はもちろんのこと、職員の健康保持増進を図る。職員に労働時間や職場の問題点を見つめてもらい、働き方をもう一度考えてもらう(decent work)。表に出にくい職場メンタルヘルスについても理解してもらい、職場環境悪化を招かない。その先頭に立つのが安全衛生委員会だと思います。また、労組としての委員会参加は、労働者の率直な意見を伝える、反映させる役割にあることも分かりました。個人意見だけでなく、いっしょに働く仲間がどんなことを考え働いているのか、どんな思いを抱いているのか、それを聞き、見つけ出し、労使で取り組む安全衛生委員会活動に活かすことが必要だと思いました。
医師や労基署職員、産業カウンセラーなど、実際に安全衛生問題に直面し、戦っている講師陣の講義は、とても具体的で理解しやすく、引き込まれる内容ばかりでした。曖昧で雑然としか見いだせていなかった安全衛生委員会のおり方を一定明確にすることができ、これからどんなことに取り組めるのか、何かできるのかを考えるきっかけになったと思います。今後は、安全衛生委員会、執行委員会講義内容を持ち帰り、取り組みに活かしていきたいと思います。

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