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□ お知らせ・アーカイブ 2008年


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2010.3.26

第10回宮城県センター総会の案内

働くもののいのちと健康を守る宮城県センター
会長真壁完一


民主党政権になって4ヶ月、国民の暮らしのどこかに変化は生まれたでしょうか。
目立つのは金権腐敗の姿ばかり。普天間基地の問題も、労働者派遣法改正問題も、後期高齢者医療制度の廃止も、国民は裏切られっぱなしという状況ではないでしょうか。

膨大な内部留保の一部を取り崩すだけで、働く人々の暮らしは守られるというのに、政権にも大企業にも全くその気はありません。国民の怒りは広がるばかりです。

働くもののいのちと健康や暮らしを守るためには、いの健センターの活動をさらに強化発展させる必要があります。

節目の第10回総会を成功させ、労働組合・民主団体それぞれの新たな一歩を踏み出そうではありませんか。

総会は下記のように開催します。
納入会費の口数に基づいて代議員を派遣して下さるようお願い申し上げます。
加盟各団体のご協力をよろしくお願い申し上げます。

   日 時/4月22日(木) 18:15~
   会 場/戦災復興記念館4階会議室
   代議員数
     会費1口団体は1名以上
     会費2口団体は2~3名
     会費4口以上の団体は3名以上

  ■ すべての加盟団体から、いのち・健康・労災に関わる課題、悩みなどを発言していただきます。
    ご準備ください。
    ※ 資料、配布物については、50部ご準備下さい。
  ■ 友好団体、労災認定闘争に取り組んでいる諸団体(ご遺族)からのご挨拶をいただきます。

ご案内チラシはこちら (134KB)


2009.6.1

第9回宮城県センター総会終わる

09年4月23日(土)、戦災復興記念館において真壁会長の挨拶宮城県センターの第9回総会が開催され、12団体から25名が出席し、民医連の松浦さんの司会で活発な討論が行われました。
最初に真壁会長は「小泉・竹中の新自由主義路線、国民・労働者いじめが深刻な生活破壊をもたらしています。11年も連続して3万人を超える自殺者を出すような国は、国際的にも恥です。しかし他方では、派遣切りを許さない国民的な闘いの広がりに見られるように、反転攻勢の1年でもありました。働く人々を取り巻く情勢はいの健センターの役割をますます大きなものにしています。総選挙で政治の流れを変えるとともに、いの健センターの強化のためにともにがんばりましょう」と挨拶をしました。

続いて富樫事務局長が08年度の活動報告と09年度の活動計画(案)、役員(案)の提案を行い、中山事務局次長が08年度決算報告と09年度予算(案)の提案を、三條委員から監査報告がなされたあと、討論が行われました。
討論には9名が参加し、その後満場一致で報告・提案は承認されました。

総会参加のみなさん

 

討論の概要

宮城一般みやぎ生協支部(松崎勝吾さん)/安全衛生委員会の活動について
宮城一般生協支部の松崎さんみやぎ生協では事業所ごとに安全衛生委員会を置き、組合も積極的にかかわるように努めている。産業医の巡回もしてはいるが、47店舗全体で見ると作業中の事故(切創)が多く、しかも同じような事故が繰り返されていることが問題になっていた。労災事故ゼロを目指す委員会の取り組みによってかなり少なくなってはいるが、組合としても真剣にかかわっていきたい。パワハラなどによるメンタル不全も若干増えており、職場ごとの学習会を通して「パワハラ撲滅」の取り組みを始めた。長時間労働者のリストを出させて、その低減にも取り組んでいる。

 

 

 

 

高野さんの公務災害認定を実現する会(石垣好春さん)/学校現場の実態について
高野事案を訴える石垣さん高野さんは2000年4月、転勤と同時に6年生の担任と研究主任という校務を命ぜられた。当時、新学習指導要領によって「総合的学習の時間」という全く新しい分野が導入され、どこの学校でも大変な状況にあり、その中でも研究主任は夜も寝ることができないほど過重な責任を担わされていた。高野さんも毎日深夜まで自宅での仕事に忙殺され、「いくらやっても終わらない」「人間をやめたくなった」と漏らすようになり、重度のうつ病を罹患し自ら命を絶ってしまった。基金支部は遺族側が提出したさまざまな証拠資料、基金支部相談医や遺族側の精神科医意見書も無視し、「公務外認定」をしたために、現在審査請求をして取り組んでいる。今また、小学校への英語導入によって、9年前と同じような矛盾が広がりつつあることを考えると、高野さんの公務災害認定を勝ち取ることは決して高野さんだけの問題ではない。学校現場の実態は、いつ誰が倒れてもおかしくない状況にあるだけに、第二の高野先生を出さないように運動を強めていきたい。

 

民医労(鈴木悦代さん)/保健師としての立場から
民医連の鈴木さん職場復帰の取り組みの経験を話したい。07年に職場の「こころの健康づくり計画」が作成され、専門のスタッフで相談体制がスタート。メンタルヘルスに対する4つのケアサポート(セルフケア、ラインケア、病院内専門スタッフによるケア、病院外の専門スタッフによるケア)を行っている。病院の職場は慢性的な人手不足や多忙、緊張感、患者さんとの人間関係などでメンタル不全になりやすい。自分で体調不良を覚えたり、ストレスチェックで反応が高かったりした場合、その状況に応じてケアやサポートを受けることができるようにしている。自分にあったストレス対処の方法が分かると、体調コントロールもしやすくなる。メンタル不全は重症化してからでは長引いてしまう。軽症のうちから休めるような体制と休業中も含めた復帰支援が大事だ。昨年、第3回「健康で安全に働くための全国交流集会」に参加して多くのことを学ぶことができた。今後に生かしていきたい。

 

建交労(鈴木一利さん)/アスベスト問題はこれからだ
建交労の鈴木さん古い建造物の解体作業などにより、アスベスト問題はこれからさらに深刻化するだろう。しかし、標示も囲いもしないままの解体がなされたり、行政指導が徹底しなかったり、問題は多い。派遣の若者たちがマスク無しで解体作業をしている現場もある。昨年仙台市の解体申請は1,800件あったが、正直に「アスベスト含有」として対策を立てていたのは27件のみ。各区には専門家が一人しかおらず、現場や設計図面での確認もできないでいる。NHKがクローズアップ東北で「アスベストはまだ終わらない」を放映したが、まさにアスベスト問題はこれからだ。

 

 

 

 

 

仙教組(佐藤啓二さん)/教員の実態と仙教組の取り組み
仙教組の佐藤さん今年の4月に復帰したばかりの教員が昨日退職届を出すというショッキングなことがあった。教員の多忙さは文科省調査によっても明らかになっているが、メンタル不全による早期退職が増大している。4人に1人が月80時間を超える長時間労働に加え、「学力テスト」が一人歩きをし、子どもたちとゆっくり向き合うことさえできないでいる。管理体制ばかりが強まり、一面的な教員評価にさらされ、肉体的にも精神的にも疲労困憊の状態。全国的にも問題になっているが、仙台市でも年間120名前後が病気休職を取るが、その半分以上は心の病である。20代の若い教員から管理職まで、多くの教員が健康を害している。仙教組の取り組みで、すべての学校に安全衛生委員会が設置されているが、問題はそれが機能しているかどうかだ。09年度からは仙台市の総括安全衛生委員会に「学校分科会」を設けて、教員の働き方、労働環境について専門的に議論することになったが、組合としても重視している。

 

民医連(金田基さん)/アスベスト問題とメンタルヘルス問題について
民医連の金田さんアスベスト問題で補足したい。宮城では、新法によってこの3年で143件を申請し76件が認定されているが、まだ一部に過ぎない。しかし、この間の全国的な運動によって健康管理手帳の交付条件が2度にわたって改善された。結果的に申請手続きが複雑になったものの、新法の適用が09年3月からさらに3年の延長になった。今後さらにすべての被害者が救済されるよう運動を続けていく必要がある。メンタルヘルスにかかわって、厚労省は判断指針(評価表)の一部改訂を発表した。平成11年の指針では救済できない事例が増えているからだろう。パワハラが強度Ⅲ、違法行為の強要が強度Ⅱなどだが、これだけでは実態を反映したものとは言えない。今後ますますいの健活動を強化することが重要だ。他県の相談も持ち込まれるが、各県にセンターを作るためにも東北セミナーを成功させることが大事。仙教組ががんばった大友事案の勝利を考えても、労組がもっといの健活動を重視することが大事だと思う。

 

ソニー労組(松田隆明さん)/派遣社員を守る闘い
ソニー労組の松田さん子会社の労働者からメンタル不全について相談を受けたことをきっかけにいの健に加盟した。その意味でも労働組合がいの健活動をもっと重視すべきだという方針を支持する。かつて我々の組合は、夜勤の連続勤務はいのちや健康にかかわる非人間的なことだと反対して闘い、会社側にも撤回させた経過があるが、実態は3連続夜勤などが入ってきている。ソニーの労働者は、派遣が正規の3倍もいるが、連続夜勤なども派遣労働者へのしわ寄せとなっている。派遣労働者は正規の平均47%の賃金にもかかわらず、5連続夜勤など劣悪な労働条件の下で働かされている。8年7ヶ月も派遣で働いていた労働者が解雇されたとき、青年ユニオンを紹介し、ソニー労組にも加入してもらい団体交渉で闘っているが、解雇問題もいのちと健康の問題も同じように闘うことが重要だ。

 

 

仙台銀行労組(斎藤晃さん)/賃下げがいのちと健康を脅かしている
仙台銀行労組の斎藤さん会社がメンタルアンケートを取り、2~3ヶ月で分析し、各人に返送してくる。必要なときは医師との相談も認めてはいるがそれだけで、職場の労働環境は何も変わってはいない。これではアンケートを取る意味がない。脳内出血で倒れた従業員がいたので労災ではないかと言ったら、会社は持病があったし家庭の問題もあるからならないだろうと言う。働く側に立って考えるということがない。この間賃下げが続き、月平均5万円の減額、多い人は年額120万円の減という例も。今年は夏冬のボーナスもゼロだという。これではローンを組んでいる人は払うこともできない。家庭不和やメンタル不全も出るような深刻な事態だし、自殺した退職者もいるらしいとの噂も出ている。不況を口実に簡単に賃下げをするが、安心して生活することができない現状が、従業員の心身の不調をもたらしていると言っても過言ではない。

 

 

宮城一般労組(遠藤秋雄さん)/いの健活動を強化するために 
宮城一般の遠藤さん11年も続けて年間3万人以上も自殺者が出るなど、まさにこの国は異常な状態だと言わざるを得ない。しかし、悪政を変えるのも、労働者のいのちや健康を守るのも労働組合の大きな役割だ。多くの労働組合や組合役員がそのことを分かりながら、忙しくて組合活動もままならず、矛盾を拡大させているのも実情だ。未組織労働者や非正規労働者の組織化のためにも、幅広い共同を生み出す必要があるが、いの健活動こそ共同そのものだと思う。労働組合が真正面からいの健活動に取り組むことが、共同を広げ、組織を大きくする力になるだろう。いの健センターにも大いにがんばってもらい、我々労働組合もいの健センターを強化するために力を発揮しようではないか。

 

 

 

 

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