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□ いの健ニュース


第17号(2009年6月6日発行) ※PDF版はこちら

過労死・過労自死  第1回「遺族の集い」が開かれました

 6月6日(土)の14時から16時まで、仙台市戦災復興記念館においていの健宮城センターが主催して、標記の集いを開催しました。挨拶をする真壁会長
 初めての集いでしたが、6件の労災事案のご遺族と4名の弁護士、2名の精神科医師、支援団体や宮城県センター関係者など24名が参加し、有意義な交流の場となりました。
 最初に亡くなった方々への黙祷の後、挨拶にたった真壁完一宮城センター会長は、「派遣切りや労災事故の多発に見られるように、日本の労働者は極めて劣悪な環境で、しかも法を無視した長時間労働を強いられています。
 過労死や過労自死は、大企業の横暴と貧困な労働行政の犠牲でしかありません。
 二度と同じような事故を繰り返させないためにも、そして亡くなった方々の労災・公務災害認定がなされるように、ご遺族のみなさんも1人で悩むのではなく、力を合わせてがんばりましょう」と訴えました。
 その後、ご遺族のみなさんそれぞれから苦しい胸の内が語られました。
 どなたの話も、下記の詩のような思いで綴られ、涙無しに聞くことができないものでした。
 さらに、弁護士や医師のみなさんから一言ずつ労災事案に取り組んだ経験、一緒に取り組んでいる思いや励ましが語られました。
 仙教組の佐藤書記長からは大友事案で闘った経験をもとに「一緒にがんばりましょう」という励まし、大友事案のご遺族からの「初めは悩んだし、とても辛かった時期もありますが、今は闘って良かったと確信を持ってお話しすることができます。
 多くの方々が必ず支えてくれます。勇気を持ってがんばって下さい」とのメッセージが紹介されました。

集いに参加したみなさん

 最後にいの健センターの富樫事務局長は、「ご遺族でなければ、本当の辛さ、悔しさ、怒りは分からないかも知れませんが、私たちは働く仲間として、労働者の人権を無視し遺族の苦しみや悲しみに弓を引く悪政を放置しておくことはできません。
 ただなぐさめ合うのではなく、誰もが安心して働くことのできる社会にするためにも、労災認定を勝ち取るためにも、今日の集いを出発点にできればと思います」と訴えました。

亡くなった夫や息子は、どんなに辛かっただろう
“気づいてやれなくてごめんね”と、残された遺族は誰もが自分を責めて苦しむ
しかし、亡くなって初めて、“こんなに働かされていたんだ”と知り驚く
そして、少し落ち着いた頃、
遺族たちは夫や息子を奪った理由を明らかにしたいと思い始める
会社はわずかばかりの見舞金で終わろうとする
役所はあまり親身になってはくれない
いざとなると腹を割って相談できる人の少なさに気づく
だんだんに夫や我が子を奪った者への怒りがわいてくる
これからのくらしにも不安が広がる
運が悪かったのではない!
弱かったからではない!
絶対に自ら死を選ぶような人じゃない!
もしかしたら過労死?
もしかしたら自死に追い込まれたの?
おかしい!
あきらめていいのだろうか? 泣き寝入りするしかないのだろうか?
いろいろ悩むが、どうしたらいいか分からない
そのうちに孤独感に襲われ、
”あの人が死にさえしなければ”と、つい恨み言を並べたくなる
”悔しい、悲しい、辛い”
”もう一度、たった一度でもいいからあの人に会いたい”
”できることならこの手で息子を抱きしめたい!”

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