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□ 労働相談  センターだより


第11号(2011・06・13) ※PDF版はこちら

震災関連死や精神疾患が急増?

震災の被害があまりにも大きすぎ、今もって復旧・復興の見通しが立っていません。
避難所暮らしの方々が相当数残っています。

そういう中で、支援の先頭に立って頑張ってきた自治体職員や教職員、消防署員、自衛隊員などの中に過労による震災関連死(突然死や過労自死)や疲労とショックによる精神疾患が広がり始めています。
被災者が路上生活を余儀なくされたり、生活保護に頼らざるをえない状況も増えています。

そのような困難は今後さらに広がることが懸念されています。
突然死や過労自死などが生じた場合は、労災・公務災害の認定を求めて支援する必要があります。

気配りをしたいものです。
しばらくセンターだよりを発行できないでいました。

久しぶりのお便りです。

第11回(3月10日)事例相談会の報告

Q 相談事例/認定保育園になったのに労働条件が下がった。

●民間の無認可保育園が、仙台市の認定保育園になり、経営母体も学校法人になった。なのに嘱託職員からパート職員に一方的に身分変更され、しかも最初は8時間パートの約束が6時間になり3時間にされた。経営者に何度か問い合わせをしたら、主任から「続けるのか辞めるのかはっきりさせろ」と言われ、新年度計画の打合会にも参加させてもらえなかった。どうしたらいいか?

A 「一番の要求は何なのか、どう解決したいのか?」をきちんと!

○3回の面談で「雇用の継続を望むのか」「(嫌気がさしたので)退職したいのか」があいまいだった。
最後には「会社をぎゃふんと言わせたい」と主張し始める。
経営者から「業績が上がったら雇用条件も検討する」と言われたが信用できないとのこと。

○労働組合への加盟も勧めたが「同僚ともうまくいってない」「組合に入ってまで闘う気はない」と言う。

○最終的に「一方的な身分変更は納得できないこと、社会保険の適用を希望すること」を再度求めるよう助言したが、結局は「会社都合退職」を条件に退職することになる。

○後日、「現在の職場は退職したが、今後のためにも福祉保育労に加盟したい」との連絡があった。

対応への評価

○福祉職場での労基法違反(パワハラ、ただ働きなど)の慢性化に対し、「組合が必要」「みんなで力を合わせて改善要求を」という自覚を育て切れていない。

○当初は「グチを聞いてほしかった」のではないのか。3回の面談を通して、現在の職場で闘う確信は得られなかったが、「組合の必要性」を理解したというのは、すごく大事な到達点だと思う。

○労働相談では、本人がその気にならない限り支えきれるものではないし、我々の思いを押しつけるのも正しくはない。その意味では「要求実現」の到達点は低かったかも知れないが、「労働者としての自覚が高まった」ことは、「その気になるような助言」「相手に寄り添った助言」だったからではないだろうか。

第12回(6月10日)事例相談会の報告

Q 相談事例/震災関連解雇への対応

●1日3時間勤務の電話オペレーターが震災翌日から「自宅待機」を指示され、2週間後に「再開困難により解雇」を通告された。自宅待機分の賃金補償をしてほしいとの相談。

A 「もっと要求する権利がありますよ」と助言。

○本人は自宅待機分の賃金補償だけを求めていたが、
 ・自宅待機は会社都合によるものだから、満額要求をするのが当然
 ・有給休暇が残っているのであれば、その分も待機日数に含めて要求すること
 ・解雇予告手当を請求する権利がある
 ことを助言する。

○要求をまとめて会社側(代理人/社会保険労務士)と交渉。

○回答内容は
 ・震災による事務所閉鎖だから、待機分の補償は出来ない。
 ・解雇予告手当は1ヶ月分(10万円強)を支払う。
 ・有休については10日分を買い取る。

本人応諾で解決

○当初の本人要求よりも大きく上回る回答だったために「待機分の補償が無くてもこれで納得します」で決着したが、他の同僚20名くらいとの連絡が出来ない(1事務所1名で、他の事務所のことは全く分からない仕組み)ため、オペレーターの組織の工夫が求められる事案であった。

対応への評価

○震災関連の解雇に対しては「解雇予告手当の除外認定」が広がっている。政府の「企業に都合の良い法解釈」だろうが、許すことは出来ない。会社が雇用調整助成金などを活用して、労働者に不利益にならないよう指導するのが行政の役割のはずだ。

○その意味では「自宅待機分賃金」を獲得できなかったのは不本意だが、「解雇予告手当」と「有休の買い取り」を勝ち取ったのは大きな成果と見ていいだろう。

相談員の配置が変わりました。(今後変更あり)

これまで水曜日を担当していた桑山任二さんが外れ、今年からいの健センター事務局長になった芳賀直さんが新相談員として加わりました。
今後の相談員の配置は当面以下のようになりますが、労働相談センター及び県労連は主に「労働相談全般」、いの健センターは主に「労災・公務災害等」の相談と分担していますが、それぞれが協力して対応していますので、分担にこだわることなく活用していただければと思います。

  電 話
いの健センター       芳賀 富樫   268-3684
労働相談センター 相原 相原 加藤      
県労連 (鎌内・及川) 211-7002
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