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□ 労働相談 センターだより


第8号(2010.5.13) ※PDF版はこちら

昨年同期比で相談件数が大幅減! なぜ?

4月末までの相談件数は、計188件(継続相談件数を含む)で、昨年同期の279件(同)と比べると約90件の大幅減となっています。
昨年は一昨年末からの派遣切りなどが社会問題となって、相談件数も激増しましたが、現在働く人々を巡る状況はさほど好転しているとは言えないにもかかわらず、相談件数が減っているのはなぜなのか。背景には、民主党政権の金権問題、普天間基地問題や政界再編を標榜する新党作り(自民党の分裂崩壊現象)にマスコミの目が向いて、働く人々や国民の暮らしの問題が棚上げにされている状況が反映しているのではないでしょうか。

第8回事例相談会の報告
5月10日に実施した事例検討会の報告です。こういう保育現場があることが驚きです。

相談事例/保育園経営の民主化のために何をしたらいいのか

Q 30代の男性が勤務していた保育園の事例。
開園2年で20名中19名の職員が経営者への不信を理由に一斉退職。
職員の立場を理解する園長と理事長が不仲。
人件費軽減だけを意図し労働条件も曖昧なことへの不満が背景に。
その後も園長への解雇(後で撤回)や、主任へのパワハラが続き、主任はうつ病で休職(労災認定)。総入れ替えになった後も待遇での差別や嫌がらせが続く。
理事長の横暴に対し組合の交渉も十分な効果を上げられない中で、組合への期待感が薄れ、脱退する職員が増え組合員は半減。こういう状況にどう対応したらいいのか。

1)理事長のワンマン経営をどうただせばいいか
2)職員の労働者意識をどう高めたらいいのか、特に若い世代の理解を高めるために何が必要か
3)労働組合としてどんな役割を果たせばいいのだろうか

「どんな保育をするか、したいか」を話し合い力を合わせること

A 理事長の横暴な経営に対しては仙台市から「経営改善勧告」も出されているのだから、まず職員の側が何で協力し合い、力を合わせるのかをきちんと話し合うことが大事。
乳幼児と関わっているのだから、みんな子どもへの愛情を持っているはずだし、子どもはかわいいという気持ちを抱いていると思う。

1)どういう保育が「良い保育」なのかを学び合うこと
2)「良い保育」をするにふさわしい待遇、労働条件とはどうあるべきかを話し合い、学び合うこと
3)そのためにも優れた「保育実践」を学ぶ機会をつくること
保育士として成長することが、労働者としての自覚(労働条件や働く権利への自覚)を育てる
4)「良い保育」を真剣に実践しようとすれば、無条件に職員の協力が求められる(保育は共同作業)
5)「良い保育」を実践すれば、必ず保護者が力になってくれる
6)そういう取り組みと併せて、組合としての理事長交渉をすることが重要
7)場合によっては、議会で問題にしたり、県労連の力を借りて「共同の力」に確信を持たせること

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