HOME> 活動と取組み> 活動計画> 活動計画・アーカイブ 2010年>

□ 活動計画・アーカイブ 2010年


【もとのページに戻る】


1)効果的な相談活動とネットワークづくりを目指して

① 相談件数が増えているだけでなく、その内容は解雇・長時間労働・未払い問題などの労働相談と健康問題や労災問題が複雑に関わり合う状況になっています。
県労連内の相談体制は以下のようになっていますが、より効果的な相談活動を推進するためには、健康問題や労災問題は「いの健センター」、解雇・倒産・未払い問題などは「労働相談センター」と機械的に分けることは難しくなっています。
それぞれの相談員が全ての相談に応じられる力量を付けるとともに、解決のために誰が(どの組織が)担当するのがいいかについては、両センター相談員と県労連事務局が日常的に情報交換をしながら振り分けることができるようにします。
また、相談活動に取り組んでいる諸団体との情報交換の場や共同の取り組みを工夫します。

  電 話
いの健センター 桑山     富樫     268-3684
労働相談センター   相原 相原   加藤  
県労連 (鎌内・八島) 211-7002

② 相談活動では、「解決してあげる」のではなく、「一緒に解決する」という姿勢が求められます。
相談者へのきめ細かな対応と丁寧なフォローを通して、相談者が「苦しみの背景に目を向け、解決のために何が必要か」を真剣に考えることが出来るような助言・支援を通して、組合作りや個人加盟労組・青年ユニオンへの加入、いの健への個人加盟などにつながるよう働きかけます。
また、労災問題や健康問題など、長期にわたる相談者に対しては、積極的に「いの健センター“個人会員”」になるよう働きかけます。

③ いの健センターとしては、引きつづき、毎週月曜と木曜の10時~15時を、『いのち・健康・労災問題相談日』として電話や面談相談に対応します。
NPOサポートセンター「電話相談一覧」に掲載します。

④ 特に県労連との情報交換に努めると共に、「労災・健康問題」などでは日常的・効果的な協力ができるようにします。
財政の強化を図り、相談員(事務局)の補充ができるように取り組みます。

⑤ リンク先を充実させたり資料の充実を図り、ホームページをより活用しやすくします。

2)過労死・過労自殺の根絶、メンタルヘルス不全の予防、労災防止・認定支援の活動

自公が進めてきた悪政と大企業の「儲けのためには何でもあり」という姿勢が、国民のくらしや働くもののいのちと健康を深刻な状況に追い込んできました。
人権無視の攻撃に対しては、労働組合・業者団体・市民団体が共同してその防波堤とならなければなりません。
特に、労働組合は運動方針の柱の一つとして『いのちと健康を守る活動』を位置づけることが重要です。

① 働くもののいのちと健康を守ることを真正面に掲げる運動を
a 単産単組との意見交換を重視し、労働組合方針に「いのちと健康を守る活動」を位置づけ、「健康・安全対策部(仮称)」をおくように働きかけます。
b 当面50名を超えるすべての事業所に「労働安全衛生委員会」を設置させ、「一人の労災被災者も出さない」ために、特に過重労働対策、メンタルヘルス対策、危険箇所・作業チェックなどに取り組むように呼びかけます。
c 50人未満の事業所でも働く人々の「安全衛生管理」を徹底するよう求めると共に、事業所への指導の徹底を県や国に求めます。
d 自営業者や一人親方の人権と健康を守るために、宮商連や建交労との共同を強めます。
e 全国センターの方針に基づき、国の「労働安全衛生週間」にあわせた各職場でのとりくみを呼びかけます。
f 業務に起因すると思われる突然死(過労死)や自死(過労自殺)について、遺族を支えながら、関係する団体を中心に支援団体を作り、労災・公務災害として認定させる運動に取り組みます。
g 過労死、過労自殺を出した事業所に対しては、その名前を公表し、労働局・労基署の徹底した調査と改善を求める運動に取り組みます。

② 国民の健康を守るための共同
ⅰ)「アスベスト問題対策宮城センター」「アスベスト患者家族の会」との共同

全国的な運動によって「石綿健康被害救済法」(06.3.27施行)による認定申請及び特別遺族弔慰金・給付金の申請受付期間の延長が図られました。
また、労働安全衛生法に基づく「健康管理手帳(石綿)」の交付要件も再度緩和(09.4.1)され、「石綿直接業務」だけではなく、周辺業務も対象となりました。
被災者の掘り起しを重視し、すべての対象者が労災又は救済法の申請を出来るように取り組むことが重要です。
a アスベスト問題対策宮城センターと共に、以下の活動に取り組みます。
・相談活動、被災者救済・支援の活動
・アスベスト問題についての学習会
・すべての被災者が救済されるよう、石綿法の抜本改正を求める活動
・健康管理や飛散予防対策、アスベスト関連廃棄物の処理についての、自治体や保健所、関係機関への要請行動
b 「アスベスト患者・家族の会」の活動を支援します。

ⅱ)地域での共同

a 特定健診や特定保健指導などを見直し、すべての国民が十分な健康診断を受け、必要な場合には二次検診や治療も安心して受けることが出来るような制度改善を求めます。
b 社保協や保険医協会、反貧困ネットワークなどと共同し、保険証の取り上げ反対、後期高齢者医療制度廃止、生活保護の水際作戦反対など、福祉の充実を求める運動に取り組みます。

③ 労働(公務)災害の掘り起こし、認定支援の活動
ⅰ)過労死110番、労働相談110番への参加

a 「働く人の健康と環境改善をすすめる会」などとともに、6月19日(土)と11月20日(土)に「過労死・過労自死110番」活動に取り組みます。(日にちは予定)
b 県労連・春闘共闘会議が主催する「労働相談110番」(例年は12月と3月)に、いの健センターとして参加・協力します。

ⅱ)認定支援の活動

現在、以下の事案に関わって、ご遺族を中心に損害賠償請求訴訟や労災・公務災害認定を求めて取り組んでいますが、全面的な勝利を目指して支援を続けます。

a 地方公務員の過労死事案(04年12月7日突然死)

国交省の出先機関への2年間の出向から帰任した04年4月から防災部に配属。その後、地域防災マニュアルの作成をすべて任されるとともに、市内消防団や婦人防火クラブの諸行事に関わる。
職務上24時間の緊急招集に対応する精神的な緊張感、訓練やイベントによる休日出勤をしても代休を取れないことによる疲労の蓄積、12月議会までのマニュアル作成責任など、心身の過重が重なり7月頃からはメンタルクリニックにも通い「神経衰弱」の診断を受ける。
平均の時間外勤務は60~70時間ぐらいだったが、仕事の質と精神的負担、不規則性などにより疲労困憊の状態になっていたにもかかわらず、死の1週間前には婦人防火クラブの1泊研修旅行に同伴し、議会開会日が12月8日のため、死の前日には体調不良を押して出勤しマニュアルの仕上げに取り組み、翌朝突然死に至ったものです。

この事案は05年2月に一度公務災害申請の動きになったのですが、遺族の事情により08年秋から改めて、錦町診療所の金田事務長と共に認定申請の相談にのってきました。
09年に所属していた市役所を経て公務災害としての認定を申請。現在審査中。

b 登米市中学校教員の過労自殺事案(08年2月7日自死)

教育研修センターでの長期研修を受講するなど、効果的な指導方法を積極的に研究していた英語の教員ですが、自分の指導法や指導理念が効果を発揮できず、指導上の悩みを抱えていました。
2年続けて3年生担任を任されましたが、生徒の「荒れた状態」も一方にあり、反発する生徒や他クラスから授業妨害に乱入する生徒への対応にも悩んでいました。
亡くなった日も他クラスの生徒が授業妨害に乱入したことで糸が切れ、自ら校舎から身を投げて死を選んだものです。
1月31日から「俺は生きたい!」と訴えながら3度にわたって遺書を書いており、苦しみ苦しみ苦しみ抜いたあげく、自ら命を絶ったことが分かります。
それだけに、1学期から授業ボイコットが起きたり、「死ね!」という落書きやこの教員の給食に薬物(?)が混入される事件などが起きていたにもかかわらず、学校としての組織的な対応を全く取らず、教員個人の問題にしたまま保護者にも一切相談することもなく手をこまねいた学校側の責任は否定できません。
宮教組及び迫支部と一緒に遺族から聞き取りを重ねながら、青木弁護士のもとで公務災害認定の申請を準備をしているところです。
この4月にも提出する運びになっています。教組を中心に支援団体を結成する動きになっていますが、いの健としてはすでに支援を決定しており、支援団体に参加して認定まで全力で取り組みます。

c 赤坂事案の損害賠償請求訴訟を支援します

赤坂事案についてはすでに昨年7月に労働保険審査会において労災が認定されましたので、現在取り組まれている仙台地裁での損害賠償請求訴訟勝利のために支援を続けます。

d その他の取り組み

ア 読売ISに係わる障害の労災申請(再審査請求)は09年4月に不支給決定がなされ、現在佐藤正明弁護士のもとで訴訟に入っていますので、引き続き可能な協力を続けたいと思います。
イ 労災隠しを許さず、労働(公務)災害の掘り起こしと認定申請支援の活動に取り組みます。
ウ 労働(公務)災害認定闘争の交流や学習に取り組みます。
エ 基金支部や宮城労働局・労働基準監督署、支部審査会や労災保険審査官への要請、懇談の申し入れをします。
オ 遺族、弁護団、支援団体合同の交流集会や「遺族の会」結成について検討します。
8月に、過労死・過労自殺の労災認定を求める「第2回遺族の集い」を開催します。
カ センターとしての労災・公務災害認定に関わる資料収集につとめ、HPで紹介します。

④ 全国の認定・裁判闘争勝利のための共同

a 全国各地で取り組まれている労災・公務災害認定闘争を勝利させるために、可能な限り協力するとともに、運動の先進例を学びます。
b 宮城からも「過労死・自死遺族の会」の全国交流集会に参加できるよう支援します。

3)学習会、活動家養成の取り組み

労働者を取り巻く情勢や、過労死・過労自殺・精神疾患を患う労働者が増え続けていることを考えても、それぞれの団体ごとに労安・健康問題の活動家を養成することは、極めて重要な課題です。
学習と交流の活動は、全国交流集会、東北セミナー、宮城セミナーや春闘討論集会など、それぞれの目的を持って開催されています。
各団体からの積極的な参加を図り、特に組合役員が一人でも多く健康問題への関心を高めることができるように取り組みを強めます。
現在予定している計画は以下のとおりです。

① 過労死・過労自殺の労災認定を求める「第2回遺族の集い」
   8月21日(土) 13時会場未定

② 第5回東北セミナー/10月16日(土)~17日(日) 仙台/茂庭荘
・6月10日(木)に第1回実行委員会を開催し、準備を始めます。
・全ての加盟団体から「実行委員」を出してもらい、宮城からの参加者(日帰り含む)は100名を目標に、全体では200名近い規模で(各県への期待数/山形20・秋田15・青森10・岩手20・福島20)で成功させることが出来るように取り組みます。
・各団体は目標を組織できるよう、今から取り組みを進めます。
・東北セミナーを契機に各県センターの結成につながるよう働きかけます。
・集会の詳細はその都度、実行委員会ニュースやチラシで紹介しますが、早めに参加者の組織に取り組むよう呼びかけます。

③ 春闘討論集会「いの健分科会」12月4日(土)~5日(日)/会場未定
・過労死・過労自死を出さない職場づくり/職場での労働安全衛生委員会活動について
・職場のメンタルヘルス対策/心を病んだ仲間への支援や休職後の復帰対策
・労働(公務)災害が起きたらどうするか
などの実践例を学び合います。

④ 第5回宮城セミナー「働き方を考える集い」11年2月19日(土)/会場未定
・健康をむしばむ長時間労働・深夜勤問題について考える
・メンタル不全はなぜ起きる/労働条件・労働環境とメンタル不全
・50名未満の小さな職場での労働安全衛生活動への取り組み方
などの基礎講座を設けて、講師から学びます。

⑤ 組織ごとに「労働安全衛生・健康・労災問題学習会」等に取り組みます。
ⅰ)役員レベル、職場ごと、全員対象など、学習会の規模や持ち方を工夫して取り組みます。
ⅱ)全国センター主催の各種交流集会にも積極的に参加します。
・第6回労働安全衛生中央学校への参加/5月29(土)~30日(日)/京都
・第4回健康で安全に働くための交流集会/未定

⑥ 季刊「働くもののいのちと健康」(全国センター)、季刊「労働と医学」(東京社会医学研究センター)、「働くものの労働安全衛生入門シリーズ」(全8巻/かもがわ出版)などの普及に取り組みます。

⑦ その他、全国センターが提起する活動に、可能な限り取り組みます。
・労働法制改悪反対のたたかい
・不服審査制度の改悪に反対する闘い

inserted by FC2 system